FRPとは
水槽やタンク、屋上の防水、キッチンカーのボディまで。私たちが毎日扱っている「FRP」という素材の特長と、製品ができるまでをご紹介します。
ガラス繊維で強くした
プラスチックです。
FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは「繊維強化プラスチック」の略で、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を樹脂と組み合わせ、強度を高めたプラスチックのことです。
軽くて強く、自由な形につくれることから、暮らしや産業のあらゆる分野でFRP製品が使われています。一般的に「FRP」と呼ぶときは、ガラス繊維を使ったGFRPを指すことがほとんどです。
ガラス繊維が骨組み、樹脂がそれを固める接着剤の役割を果たします。鉄筋とコンクリートの関係に似ています。
FRPの6つの特長
金属・木・コンクリートにはない性質を、ひとつの素材で兼ね備えています。
軽くて強い
重さは鉄のおよそ4分の1。それでいて強度が高く、大きな水槽やタンクも軽く仕上がるので、運搬や設置がしやすくなります。
錆びない・腐らない
金属のように錆びることも、木のように腐ることもありません。水まわりや屋外、海辺など厳しい環境でも長く使えます。
水を通さない
継ぎ目のない一体成形ができ、防水性に優れています。水槽・浄化槽・浴槽や、屋上・バルコニーの防水に使われる理由です。
薬品に強い
用途に合った樹脂を選ぶことで、酸やアルカリなどの薬品にも耐えられます。薬品タンクや廃液ピットのライニングにも使われます。
形の自由度が高い
型さえあれば、曲面や複雑な形も成形できます。1点ものの特注品から、同じ形の量産品、造形物までつくれます。
補修・継ぎ足しができる
割れや傷んだ部分の上から積層して補修できます。古くなった受水槽やタンクも、交換せずに直して使い続けられます。
FRPが使われているもの
知っておきたい
FRPの弱点と対策
万能な素材はありません。弱点を知ったうえで、用途に合った樹脂や仕上げを選ぶことが長持ちのコツです。
- 紫外線
- 日光(紫外線)に長くさらされると、表面から少しずつ劣化します。屋外ではトップコートや塗装で表面を守り、定期的に塗り直すと長持ちします。
- 熱
- 一般的な樹脂は高温に弱く、熱いものに触れる用途では変形することがあります。温泉や融雪槽など熱のかかる場所には、耐熱性のある樹脂を使います。
- 強い衝撃
- 一点に強い衝撃が加わると、割れやヒビが入ることがあります。その場合も、傷んだ部分を補修して元どおりに使えます。
FRP製品ができるまで
FRP製品の代表的なつくり方「ハンドレイアップ成形」の流れです。型に材料を重ねていく、職人の手仕事が中心の工法です。
- 01
型をつくる
製品の形のもとになる「型」を用意します。木や既存の製品をもとに型をつくり、表面をなめらかに仕上げます。
- 02
離型剤を塗る
固まった製品が型からきれいに外れるよう、型の表面に離型剤を塗ります。
- 03
ゲルコートを塗る
製品の表面になる樹脂層(ゲルコート)を塗ります。色・ツヤ・耐候性を左右する大切な層です。
- 04
ガラスマットを積層する
ガラス繊維のマットを敷き、樹脂をしみ込ませながらローラーで気泡を抜きます。必要な強度・厚みになるまで何層も重ねます。
- 05
硬化させる
樹脂が化学反応で固まるまで置きます。固まると、軽くて強いFRPになります。
- 06
型から外す(脱型)
十分に固まったら、型から製品を外します。
- 07
仕上げ・検品
はみ出した部分のカット、研磨、穴あけ、金具の取り付けなどを行い、寸法や仕上がりを検品して完成です。
FRPの主な成形方法
- ハンドレイアップ成形
- 型にガラスマットを敷き、樹脂を手作業でしみ込ませて積層する方法。大型品や少量・1点ものに向いています。
- スプレーアップ成形
- 細かく切ったガラス繊維と樹脂を、専用の機械で型に吹き付けて積層する方法。大きな製品を効率よくつくれます。
- RTM成形
- 上下の型の間にガラス繊維を入れ、樹脂を注入して成形する方法。両面がきれいに仕上がり、中量生産に向いています。
- フィラメントワインディング
- 樹脂をしみ込ませた繊維を、回転する芯に巻き付けて成形する方法。パイプや円筒形のタンクなどに使われます。
FRP防水の工程
屋上やバルコニーの床に、継ぎ目のないFRPの防水層をつくる工事です。軽くて硬い防水層は、人が歩く場所にも向いています。
- STEP 01
下地処理
既存の防水層の撤去や清掃、ひび割れの補修などを行い、下地を平らに整えます。
- STEP 02
プライマー塗布
下地とFRP層がしっかり密着するように、プライマー(下塗り材)を塗ります。
- STEP 03
ガラスマット積層
ガラスマットを敷き、樹脂をしみ込ませて脱泡しながら、継ぎ目のない防水層をつくります。
- STEP 04
研磨・中塗り
硬化後に表面を研磨し、凹凸をならしてから中塗りを行います。
- STEP 05
トップコート
紫外線から防水層を守るトップコートを塗って仕上げます。